アルトサックス奏者の皆さん、マウスピース選びで迷っている方におすすめしたいのが、フランスの老舗メーカーセルマーの製品です。セルマーは高品質なアルトサックスマウスピースで知られていますが、そのラインナップの中から自分に合った1本を選ぶのは難しいもの。
今回は、セルマーの人気シリーズであるS80とS90を中心に、アルトサックスマウスピースの特徴を比較していきます。S80とS90の違いはもちろん、高級モデルのソロイストシリーズや、テナー/ソプラノサックス向けの特徴などもご紹介します。
マウスピース選びの参考に是非ご活用ください。セルマーのアルトサックスマウスピースを比較検討することで、自分にピッタリの1本を見つけられることでしょう。
この記事のポイント
S80とS90の音色の違い
テナー/アルトの管の長さの影響
ソロイストシリーズのジャズ向け音色
マウスピース選びのポイント
アルトサックスマウスピースをセルマーモデルで比較しよう
アルトサックス奏者の皆様、セルマー社のマウスピースをお探しの方に向けて、人気モデルの特徴と違いを比較していきます。
セルマー社はフランスの老舗サックスメーカーで、その高品質なマウスピースはプロ奏者から初心者まで長年にわたり愛用されています。今回は、アルトサックス用のS80シリーズとS90シリーズについて、音色、レスポンス、吹奏感などの観点から詳しくご紹介します。
マウスピース選びは非常に個人的なものですが、この記事がセルマーマウスピースをお探しの皆様の選び方の一助となれば幸いです。
テナーサックスとアルトサックスの違いとは?
バリトンサックスとバスサックスの特徴の違いは?
セルマーサックスの音色上の特徴
サックスマウスピースの比較表を見てみよう
セルマーS90の170と180の違いを知ろう
アルトサックス用マウスピースのおすすめモデル
セルマーのソロイストシリーズについて
セルマーS90 180に合うリガチャーを見つける
セルマーマウスピースの選び方のポイント
セルマーS80とS90の音の違いを知る
アルトサックス用セルマーマウスピースの価格帯
サックス用マウスピースの主要メーカーは?
サックス専門のマウスピースメーカーとしては、セルマーのほかにヴァンドーレン、メイヤー、オットリンガーなどがあります。これらのメーカーはサックス奏者のニーズに合わせたさまざまなマウスピースを販売しています。
中でもセルマーはサックスそのものの製造元であることから、マウスピースの研究開発にも長けており、多くの奏者に支持されています。セルマーのマウスピースは、アマチュアからプロフェッショナルまで、幅広いニーズに応えられる lineup が揃っています。
テナーサックスとアルトサックスの違いとは?
テナーサックスとアルトサックスの最も大きな違いは、管の長さです。テナーはアルトよりも約20cmほど管が長く、音域はアルトよりも5度ほど低くなっています。
そのため、テナーのほうが低音域の表現力に優れていますが、高音域はアルトほど明るくは鳴りません。アルトはテナーよりも高音域が鳴りやすい反面、低音域は弱点です。
また、テナーは大型のマウスピースを必要とするため、アルトと比べて吹奏時の抵抗感が大きくなります。マウスピースの選び方にもこの違いが影響します。
バリトンサックスとバスサックスの特徴の違いは?
バリトンサックスとバスサックスは、ともに大型のサックスの一つですが、それぞれ以下のような特徴の違いがあります。
バリトンは管が約2.7mとアルトの約1.3倍の長さで、非常に低い音域を表現できますが、高音域は限定的です。一方、バスはアルトの約2倍の長さで、最低音はバリトンよりも約1オクターブ低く鳴ります。
また、バリトンほど管が長くないバスは、重量感はあるものの操作性に優れていて、高音域の表現力もバリトン以上です。大きな体格を必要とするバスと、それほど大きくないバリトンとでは、奏者の体型にも適合性の違いが生じます。
セルマーサックスの音色上の特徴
セルマーのサックスは、明るく輝きのある音色が特徴です。比較的硬質な金属管を用いることで、倍音が豊かな音に仕上がっています。また、精緻な手作業による調整が施されているため、各音のバランスが非常に良く、美しい音色を保ちます。
一方で、暖かみのある深みのある音色を求める場合には、他社製のサックスを選択する方が良いでしょう。セルマーのサックスは、クラシックからジャズまで幅広いジャンルで活躍する明るい音が特徴です。
サックスマウスピースの比較表を見てみよう
サックスマウスピースには様々なモデルが存在するため、比較表を用いて各モデルの違いを確認すると良いでしょう。比較表では、開口部の大きさ、長さ、奥行き、材質などの仕様と、それに伴う音の明るさや柔らかさといった音色の特徴を示しています。
比較表から自分の志向する音や演奏スタイルに合ったマウスピースを見つけることができます。また、比較表にある複数の候補から実際に試奏することで、自分にピッタリのものを絞り込むことが可能です。
セルマーS90の170と180の違いを知ろう
セルマーS90シリーズの170と180は、ティップ開口部のサイズが170は1.4mm、180は1.5mmと0.1mm違うのみですが、この開口部の差によって次のような違いが生じます。
170は開口部が狭いので、吹奏時の抵抗感が強くなりますが、息の量に対するコントロールがしやすくなります。一方、180は開口部が広いので吹き始めは抵抗感が小さく吹きやすいのですが、余分な息が入り込みやすくなるため、息のコントロールが170ほどでは難しくなります。
また、170のほうが音色は明るめで、180は音色が暗めになります。初心者は吹きやすい180、上級者はコントロール性能の高い170を選択することが多いようです。
アルトサックス用マウスピースのおすすめモデル
アルトサックス用マウスピースのおすすめは、セルマーS90シリーズの170や180です。クラシックからジャズまで幅広く対応でき、中音域が美しく響きます。
また、メイヤーの5MMは爽やかな音色が魅力で、ソロからアンサンブルまで幅広く対応できます。ヴァンドーレンのオプティマムシリーズも、吹きやすさと豊かな音色が特徴的です。
初心者の方は、セルマーのS80シリーズやヴァンドーレンのオプティマムをおすすめします。上級者向けとしては、メイヤーのソリスタやJバンドレンなども良い選択肢となり得ます。
ご自身の志向する音や演奏スタイルに合わせて、ぜひいくつかのモデルを試奏されてみてください。マウスピース選びの際には、実際に試して自分の口に馴染むかが大切です。
セルマーのソロイストシリーズについて
セルマーのソロイストシリーズは、主にジャズを意識して設計されたマウスピースです。中でもアルトサックス用のソロイストは、暖かみのある豊かな音色が特徴です。
ソロイストにはC☆、C☆☆、Dなどのバリエーションがあり、番号が大きくなるほどマウスピースの開口部が広くなります。開口部が広いほど、強い息の通りやすさと引き換えに、コントロールの難易度が高くなります。
ジャズを吹く上で、インプロヴァイズ性能が求められる方には、somewhatやDなど開口部の広いものが向いていると言えます。
セルマーS90 180に合うリガチャーを見つける
セルマーS90 180に合うリガチャーとしては、オープンフィーリングを保ちつつもマウスピースをしっかり支えるタイプが理想です。ヴァンドーレンのM/OやOptimum、BGのルーズィなどがおすすめです。
特にM/Oリガチャーは、リードに過度な圧力をかけず息の通りをコントロールしやすいデザインのため、S90 180の吹き心地を損なうことがありません。
金属製の硬すぎるリガチャーよりも、程よい柔らかさを持つ複合素材のリガチャーを選ぶことをオススメします。リガチャーもマウスピースと同様、実際に試してみることが大切です。
セルマーマウスピースの選び方のポイント
セルマーマウスピースを選ぶ際のポイントは、まず自分の志向する音や演奏スタイルを考えることです。クラシックならS90、ジャズならソロイスト、と目安はありますが、実際に試奏して自分の口に合うかを確認することが大切です。
また、上級者でもある程度の試行錯誤が必要なので、1本だけでなく2~3本の候補を用意して比較することをおすすめします。
そのほか、リードの硬さとのバランスを考えてティップ開口部のサイズを選ぶことや、リガチャーもマウスピース選びとセットで考えることがポイントとなります。
セルマーS80とS90の音の違いを知る
セルマーのS80とS90はともに定番のシリーズですが、それぞれ以下のような音の特徴があります。
S80は明るく軽快な音が売りで、メリハリの効いた音色です。一方のS90は、落ち着きのある温かみのある音で、特に低・中音域の響きが良く、息の通り易さも特徴です。
S80のほうが発音のスピード感があり、技巧を要する曲に向いています。S90は余計な音が入りにくく、息のコントロールがしやすいのがメリットです。
演奏するジャンルや曲の特徴に合わせて、S80とS90の音の違いを把握し、自分に適したほうを選ぶことが大切です。
アルトサックス用セルマーマウスピースの価格帯
アルトサックス用のセルマーマウスピースの価格は、使用する材質や人気モデルによって異なりますが、おおむね2万円前後から3万円程度となっています。
例えば、S80やS90などの定番プラスチック製マウスピースは23万円程度。ソロイストなどの高級モデルは34万円ほどです。
金属製のマウスピースはプラスチック製よりも高価で、3~5万円の範囲となります。コレクターが取り合うレアものは更に高額になる場合もあります。
マウスピース選びでは、高いものを選ぶだけが良いわけではないことに留意しつつ、演奏上の要件に見合うものを選ぶ必要があります。
セルマーマウスピースの長所と短所を比較検討しよう
ここからは、セルマーマウスピースの詳細な長所と短所について解説していきます。セルマーの定評ある品質には理由があり、その特徴を理解した上で比較検討することをオススメします。
ソプラノサックスマウスピースのおすすめは?
セルマーのマウスピースは初心者におすすめか?
セルマー以外のマウスピースメーカー
中古マウスピースの購入時の注意点
マウスピース選びで大事な選定の意味
まとめ:アルト サックス マウス ピース セルマー 比較
テナーサックスマウスピースの選び方ポイント
テナーサックス用のマウスピースを選ぶ際のポイントは、まず管のサイズの大きさに見合ったものを選ぶことです。開口部が狭すぎると通りにくくなります。
次に、テナーは低音が基本なので、暖かみのある音色を作れるマウスピースを選ぶことが重要です。しかし開口部が広すぎるとコントロールが難しくなるので、適度な大きさを選択する必要があります。
さらに、テナー独特の重量感に対応できる質量のあるマウスピースを厳選することも大切です。金属製のマウスピースがテナー奏者に多いのはそのためです。
高音への対応力も重視して、テナーの全音域をカバーできるマウスピースを選択することをおすすめします。
ソプラノサックスマウスピースのおすすめは?
ソプラノサックスのマウスピース選びでは、高音域の明るさを重視することがポイントとなります。セルマーであればS80シリーズがおすすめで、特にC☆やC☆☆はソプラノサックスの定番マウスピースとして人気があります。
ソプラノは管が短いため低音が出にくいという弱点がありますが、S80シリーズは低音の再現力にも優れています。ヴァンドーレンのオプティマムシリーズも、ソプラノサックスに適した温かみのある音作りが可能です。
マウスピース選びでは、高音の明るさを損なわないことが特に重要です。複数の候補を試奏し、ソプラノの可能性を最大限に引き出せるマウスピースを選ぶことが大切です。
セルマーのマウスピースは初心者におすすめか?
セルマーのマウスピースは、その高い品質からプロ奏者にも重宝されていますが、初心者にとってもおすすめのマウスピースです。
特に、S80やS90などの定番モデルは、吹きやすさと豊かな音作りを両立した入門にふさわしいマウスピースと言えます。しかし高価なだけに、初心者がいきなり購入するには敷居が高い印象もあります。
比較的価格が手頃なヴァンドーレンのオプティマムシリーズは、初心者にもおすすめできます。セルマーほどの品質には及ばないものの、コストパフォーマンスは高いマウスピースです。
セルマー以外のマウスピースメーカー
セルマーのほかにも、各社それぞれの特徴を生かしたマウスピースを製造しているメーカーが存在します。
例えば、メイヤーのマウスピースは金属製が主流で、力強く輝かしい音が魅力。ヴァンドーレンは温かみのある音作りに優れています。オットリンガーは非常にユニークな形状のマウスピースを製造しているのが特徴的です。
様々な Maker の個性的なマウスピースから、自分の理想的な音を見出すことができるでしょう。セルマー以外のPossibilityも広げながら、試行錯誤していくことをオススメします。
中古マウスピースの購入時の注意点
中古のマウスピースを購入する際の注意点としては、まず衛生面での安全性を確認することが挙げられます。洗浄や消毒が不十分だと、唾液を介して疾病が感染する可能性もあります。
また、微細な擦り傷や歪みなどで音質が変化していないかを、実際に試奏することが重要です。見た目だけでは判断しにくいので、試奏の上でこだわりのある音を保っているかを確かめる必要があります。
そのほか、マウスピースの真贋や、廃盤モデルの場合は希少価値に見合った正しい評価額かを、十分に確認することも欠かせません。
マウスピース選びで大事な選定の意味
マウスピース選びにおいて、選定をする意味は非常に大きいと言えます。同じモデルでも個体差が存在するため、単に外観だけを見て選ぶのではなく、実際に試奏して口にフィットするかどうかを確認する必要があるからです。
プロの奏者が吹いて選別した選定品は、吹きやすさが担保されたマウスピースを選ぶことができるため、特に初心者におすすめしたい選択肢です。選定されたマウスピースを選ぶことで、マウスピースそのもののクセに悩むことなく、本来の練習に集中することが可能となります。
まとめ:アルト サックス マウス ピース セルマー 比較
アルトサックスマウスピースをセルマーモデルで比較した場合のポイントは以下の通りです。
S80とS90がセルマーの定番人気シリーズ
S80は明るく軽快、S90は温かみのある音が特徴
テナーとアルトでは管の長さが異なり音域に差が出る
大型のバリトンとバスサックスにも特徴の違いがある
セルマーサックスは硬質金属管を用い明るい音が特徴
比較表から各マウスピースの仕様と音の特徴を確認できる
S90の170と180はティップ開口部のサイズが異なる
リガチャーもマウスピース選びで大切なポイント
ソロイストシリーズはジャズを意識した暖かな音が特徴
実際の試奏がマウスピース選びには欠かせない
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