中学生にとって、読書感想文の宿題はハードルが高いものに感じられがちです。しかし、適切な本を選ぶことができれば、読書感想文は楽しく取り組める学習活動になるはずです。この記事では、中学生におすすめの読書感想文が書きやすい本を8冊厳選しました。いじめや恋愛など、中学生の関心の高いテーマを扱った作品から、読解力に合わせた平易な文章の本まで、読書感想文に最適な1冊が見つかるでしょう。本選びのポイントも解説するので、ぜひ参考にして、読書感想文に挑戦してみてください。
この記事のポイント
・中学生の興味を引く題材の本や、読解力に合った平易な文章の本の選び方
・登場人物の心情が理解しやすい作品が読書感想文に適していること
・読書感想文で高評価を得るには、テーマを意識して本を読むことが大切であること
・いじめや恋愛など、中学生の身近なテーマを扱った作品のおすすめ
中学生におすすめの読書感想文が書きやすい本8選
- 『あの日の交換日記』は読書感想文にぴったりのミステリー小説
- 読書が苦手な中学生におすすめ『虹色のコーラス』
- 音楽好きな中学生に『サマータイム』がおすすめ
- 中学生にも読みやすい難民問題を扱った小説『マイスモールランド』
- 読書感想文にオススメ『魔女の宅急便』は中学生に人気
- 中学生に感動を与える読書感想文におすすめの本『星の王子さま』
- いじめがテーマの中学生向け読書感想文おすすめ本『夏の庭ーThe Friends』
- 中学生の恋愛を描いた読書感想文にオススメの本『キッチン』
『あの日の交換日記』は読書感想文にぴったりのミステリー小説
読書感想文におすすめの本として、辻堂ゆめさんの『あの日の交換日記』を紹介します。
この本は、交換日記をモチーフにした全7編の短編小説集です。
辻堂さんは近年注目を集めているミステリー作家で、「このミステリーがすごい!大賞」を受賞されています。
中高生のファンも多いのが特徴です。
『あの日の交換日記』の魅力は、日常を丁寧に描きつつ、巧みなトリックを織り交ぜている点にあります。
殺人事件などは起こりませんが、物語が進むにつれて読者の予想を裏切る展開が待っています。
読書感想文を書く際は、トリックに気づいた時の驚きや、なぜそれに気づけなかったのかを掘り下げるとよいでしょう。
後半は善悪や愛と信頼がテーマになるので、登場人物の心情を丁寧に読み解くことで、深い考察ができるはずです。
ページ数は多めですが、1話ずつ区切られているので、読みやすいのも魅力の一つです。
読書が苦手な中学生におすすめ『虹色のコーラス』
読書が苦手だと感じている中学生におすすめなのが、リュイス・プラッツさんの『虹色のコーラス』です。
この作品はスペイン語で書かれた小説の翻訳ですが、ストーリーも翻訳文もとても読みやすいのが特徴です。
主人公のコリニョンさんは62歳の小学校教師です。
30年以上裕福な地域の学校で音楽とフランス語を教えてきましたが、ある日突然、教育困難校への異動を命じられます。
そこで出会ったのは、多様な人種の子どもたちでした。
最初は戸惑うコリニョンさんですが、一人一人と真摯に向き合っていきます。
子どもたちは次第に心を開き、クラスはまとまっていきました。
でも、物語はそこで終わりません。
コリニョンさんに再び試練が訪れるのです。
読書感想文では、子どもたちが心を開いた理由を考察するのがおすすめです。
登場人物たちのケースを丁寧に読み解き、経験談や意見を交えると説得力が増します。
ラストに待ち受ける意外な展開にも注目です。
音楽好きな中学生に『サマータイム』がおすすめ
音楽が好きな中学生におすすめなのが、市川拓司さんの『サマータイム』です。
主人公の阿賀川弓岐は、中学2年生の女の子。
吹奏楽部に所属していますが、上手く馴染めずにいました。
そんな時、学校の裏庭で一人の男子生徒と出会います。
柔道部のレギュラーだった彼は、怪我で柔道ができなくなり、自信を無くしていたのです。
二人は互いの孤独を埋め合わせるように、やがて惹かれ合っていきます。
弓岐は彼との出会いをきっかけに、自分なりの音楽の表現方法を見つけていきました。
読書感想文では、二人の心の変化を丁寧に追うことがポイントです。
特に弓岐が音楽に打ち込む姿は、多くの中学生が共感できるはずです。
音楽の楽しさ、仲間と一緒に成長する喜びが、とてもリアルに描かれています。
恋愛模様にも注目です。
ラストでは、二人の関係性がどう変化を遂げるのかを考察してみてください。
中学生にも読みやすい難民問題を扱った小説『マイスモールランド』
中学生にも読みやすく、難民問題を考えさせられる小説として、梨屋アリエさんの『マイスモールランド』がおすすめです。
主人公のナターシャは、南スーダンから日本にやってきた女の子。
小学校6年生の時に日本に逃れてきましたが、言葉も文化も違う日本での生活は簡単ではありませんでした。
でも、ナターシャは決して諦めません。
生活のために必死にアルバイトをしながら、夢だった通訳になるために勉強を続けるのです。
そんなナターシャの周りには、彼女を応援してくれる人たちがたくさんいました。
読書感想文では、ナターシャを支えた人たちの善意に着目するとよいでしょう。
ナターシャの強さの理由は、彼女を取り巻く環境にもあったのです。
また、ナターシャの故郷と日本を比較し、日本の良さや課題について論じるのもおすすめです。
中学生にとって、身近に感じられない難民問題ですが、この作品を通して考えを深められるはずです。
読書感想文にオススメ『魔女の宅急便』は中学生に人気
中学生に人気があり、読書感想文にもおすすめなのが、角野栄子さんの『魔女の宅急便』です。
主人公のキキは、13歳の魔女の少女。
一人前の魔女になるため、親元を離れて1年間修行の旅に出ます。
キキが向かった先は海辺の町コリコ。
そこでキキが始めたのが、魔女の宅急便屋さんでした。
魔女としてまだ未熟なキキは、様々なトラブルに巻き込まれます。
それでも、周りの人々に助けられ、励まされ、少しずつ成長していくのです。
読書感想文では、キキの成長物語を丁寧に描くとよいでしょう。
特に、自信を無くして落ち込んだ時期のキキの心情は、多くの中学生が共感できるはずです。
トンボという男の子との交流も見逃せません。
一緒に成長する二人の姿は、思春期真っ只中の中学生の心をつかむことでしょう。
また、魔女という設定を通して、人と人との繋がりの大切さを描いている。
中学生に感動を与える読書感想文におすすめの本『星の王子さま』
中学生の心に深く響き、読書感想文にもおすすめなのが、サン=テグジュペリの『星の王子さま』です。
この作品は、大人になっても色あせない普遍的なメッセージが詰まった物語です。
主人公は、小惑星B612番星から地球にやってきた王子さま。
地球で出会った飛行士に、自分の冒険談を語り始めます。
王子さまが旅した7つの惑星には、それぞれ独特な大人が住んでいました。
彼らのおかしな行動を通して、大人の世界の矛盾や愚かさが浮き彫りになります。
でも、王子さまはそこで出会ったキツネから、とても大切なことを教えてもらうのです。
読書感想文では、7つの惑星で出会った大人たちを分析してみましょう。
彼らの行動の背景にある価値観や考え方を読み解くことで、現代社会の問題点が見えてくるはずです。
また、キツネから教えてもらった「大切なこと」とは何か、じっくり考察してみてください。
「目に見えないもの」の大切さを知った王子さまは、どのように変化したのでしょうか。
この物語を通して、中学生の皆さんに「本当に大切なもの」を考えてもらえたら素敵です。
いじめがテーマの中学生向け読書感想文おすすめ本『夏の庭ーThe Friends』
中学生の日常的な悩み「いじめ」を丁寧に描いた作品として、湯本香樹実さんの『夏の庭ーThe Friends』がおすすめです。
主人公の直子は、クラスで「キモイ」といじめられている晶子と親友になります。
でも、晶子との仲を責められ、直子自身もいじめの標的にされてしまうのでした。
絶望的な状況の中で、直子は晶子との友情を選びます。
周囲の目を気にして、時には晶子を避けることもあったけれど、最後まで彼女を守り抜いたのです。
読書感想文では、直子がいじめに立ち向かえた理由を考察してみましょう。
彼女にはどんな葛藤があったのか、なぜ晶子との友情を選んだのか。
直子の勇気の理由を、自分の言葉で説明してみてください。
また、いじめっ子の言動の問題点を分析し、いじめ問題の解決策を提案するのもおすすめです。
いじめのない世界を作るには、一人一人が何をすべきか。
この作品から学んだことを、感想文に盛り込んでみましょう。
中学生の恋愛を描いた読書感想文にオススメの本『キッチン』
中学生の等身大の恋愛を描いた作品として、吉本ばななさんの『キッチン』がおすすめです。
主人公のみかげは、祖母を亡くし、愛する人を失った経験を持つ女の子。
ある日、親戚の雄一とその母・えり子さんに引き取られ、三人で暮らし始めます。
えり子さんは、実はニューハーフでした。
そんな型破りな「家族」に、みかげは少しずつ心を開いていきます。
そして、雄一に恋心を抱くようになるのですが…。
読書感想文では、みかげの恋愛模様を中心に、家族の形についても考えてみるとよいでしょう。
みかげが雄一に惹かれていく過程は、中学生にとってとてもリアルに感じられるはずです。
そこに、みかげのトラウマ体験が影を落としているのも見逃せません。
また、血がつながっていないみかげ、雄一、えり子さんが「家族」として暮らす物語は、家族の形の多様性を感じさせてくれます。
「家族」とは何か、改めて考えさせられる作品だと言えるでしょう。
中学生の読書感想文に最適なおすすめ本の選び方
- 中学生の興味を引く題材の本を選ぶ
- 中学生の読解力に合った平易な文章の本がおすすめ
- 登場人物の心情が理解しやすい作品が読書感想文に適している
- 本を読む前に、テーマを意識して読むことが大切
- 本の内容を自分の言葉でまとめることが読書感想文に不可欠
- 引用を効果的に使い、自分の主張を裏付ける
- 読書感想文おすすめ本中学生の総括
中学生の興味を引く題材の本を選ぶ
読書感想文を書くための本選びで大切なのは、中学生の興味・関心を引く題材を取り上げている作品を選ぶことです。
部活動、学校生活、恋愛、友情など、中学生の身近な話題が盛り込まれている本がおすすめです。
親近感の湧く題材なら、共感を込めて感想文を書きやすいはずです。
また、ファンタジーやミステリーのようなエンターテインメント性の高いジャンルも中学生に人気です。
スリリングな展開に引き込まれながら、主人公に感情移入できる作品を選んでみてください。
一方で、いじめや貧困など、深刻な社会問題を正面から取り上げた作品に挑戦するのもおすすめです。
課題について自分なりの意見をまとめる練習になるだけでなく、中学生の視野を広げることにも繋がります。
中学生の読解力に合った平易な文章の本がおすすめ
中学生向けの読書感想文の本選びでは、読解力に合った優しい文章の作品を選ぶことも重要です。
たとえ面白い内容の本でも、難解すぎる文章では、読書の楽しさを味わえません。
平易な文章で書かれている作品なら、スラスラ読み進められるので、感想文に書くべきポイントを整理しやすいでしょう。
とはいえ、やさしすぎる本語の作品では、逆に読書感想文を膨らませる材料が不足してしまいます。
2000文字以上の感想文が書けるよう、ある程度の長さとメッセージ性を兼ね備えた作品を選ぶことが大切です。
新書や単行本だと分量が多すぎると感じる中学生は、中編小説や短編小説集を選んでみてもよいですね。
作品のボリュームに合わせて、読書の計画を立てられるのも利点の一つです。
登場人物の心情が理解しやすい作品が読書感想文に適している
読書感想文では、登場人物の心情を手がかりに、自分の考えを深めていきます。
そのため、登場人物の内面が丁寧に描かれている作品を選ぶことが大切です。
主人公の感情の変化が細かく書かれていれば、なぜそのように心が動いたのか、想像力を働かせて考察しやすいでしょう。
また、心の機微が表現豊かに描写されている作品からは、言葉の使い方を学ぶこともできます。
登場人物の心情を表す比喩表現や美しい言い回しを見つけ、感想文で引用してみるのも面白いかもしれません。
ただし、心理描写に頼りすぎるのは注意が必要です。
登場人物の行動を観察し、言動の意味を読み解くことも忘れずに。
心の動きと行動の関連性を考えることで、より深く登場人物を理解できるはずです。
本の選び方のポイントをおさえつつ、中学生らしい視点で作品と向き合ってみてください。
本を読む前に、テーマを意識して読むことが大切
読書感想文で高い評価を得るためには、しっかりとしたテーマを持って本を読むことがポイントです。
感想文のテーマを意識しながら読書することで、どの場面に注目すべきか、見当がつきやすくなります。
例えば、「家族の絆」というテーマを設定したなら、登場人物の家族関係や、家族を思う気持ちが描かれたシーンを中心に読み進めていけばよいでしょう。
また、テーマに関連する自分の経験を思い出しておくのも効果的です。
本の内容と自分の体験を結び付けることで、説得力のある感想文が書けるはずです。
読書前に設定したテーマは、感想文の中心に据えることを忘れずに。
本の要約ではなく、自分の言葉でテーマについて語ることが重要です。
本の内容を自分の言葉でまとめることが読書感想文に不可欠
読書感想文は、本の内容をそのまま書き写す「感想文もどき」になってはいけません。
大切なのは、本から学んだことを自分の言葉で表現すること。
登場人物の心情や物語の展開を、自分なりに解釈してみましょう。
例えば、主人公の決断の場面では、「主人公はなぜそのような選択をしたのだろう」と自問自答してみてください。
主人公の生い立ちやこれまでの経験を思い返し、決断の理由を想像力豊かに考察するのです。
また、本に書かれていない「その後」を想像してみるのもおすすめ。
物語の結末から先の出来事を予想し、登場人物たちがどのような人生を歩むのか、オリジナルの続きを書いてみるのも面白いかもしれません。
大切なのは、自分の頭で考え、感じたことを言語化すること。本を自分なりに消化した感想文を目指してみてください。
引用を効果的に使い、自分の主張を裏付ける
説得力のある読書感想文を書くためには、本の内容を要約するだけでは不十分です。
自分の意見を述べる際は、作品の一節を引用して、主張を裏付けることが大切。
印象に残った文章を取り上げ、そこから考えたことを書き加えるのです。
引用と意見が効果的に組み合わさることで、読者を納得させる感想文になるでしょう。
ただし、引用の際は、出典を明記することを忘れずに。
作品名、著者名、引用部分の初めと終わりのページ数は必ず記載しましょう。
引用と自分の意見の区別をつけることで、誠実な印象を与えることができます。
適切な引用は、感想文の説得力を高めるだけでなく、著作権を守ることにも繋がるのです。
単なる感想の羅列ではなく、引用を活用した論理的な文章を心がけてみてください。
以上が、中学生の読書感想文のための本選びのポイントと、高評価を狙うコツです。
読書感想文は、本と真摯に向き合う絶好の機会。
中学生の今だからこそ得られる気づきを大切に、オリジナリティ溢れる感想文を完成させてくださいね。
読書感想文おすすめ本中学生の総括
・中学生におすすめの読書感想文が書きやすい本8選を紹介している
・『あの日の交換日記』は日常を丁寧に描きつつ、巧みなトリックが織り交ぜられたミステリー小説である
・読書が苦手な中学生におすすめなのが、リュイス・プラッツの『虹色のコーラス』だ
・『サマータイム』は音楽好きな中学生におすすめで、自分なりの音楽の表現方法を見つける物語である
・『マイスモールランド』は中学生にも読みやすく、難民問題を考えさせられる小説だ
・中学生に人気があり、読書感想文にもおすすめなのが『魔女の宅急便』である
・『星の王子さま』は中学生の心に深く響き、普遍的なメッセージが詰まった物語だ
・いじめがテーマの中学生向け読書感想文におすすめの本が『夏の庭ーThe Friends』である
・『キッチン』は中学生の等身大の恋愛と家族の形について考えさせられる作品だ
・中学生の興味を引く題材の本や、読解力に合った平易な文章の本を選ぶことが大切である
・登場人物の心情が理解しやすい作品が読書感想文に適している
・本を読む前に、テーマを意識して読むことが高評価を得るポイントだ
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