ピアノ初心者が最初に購入する楽器を選ぶ際、迷ってしまうことがあるでしょう。電子ピアノなのかアコースティックピアノなのか、61鍵盤なのか88鍵盤なのか…。実は、ピアノを始めるにあたって大切なのは、練習しやすさと価格の2点です。

本記事では、ピアノ初心者に対して最適な電子ピアノを選ぶためのポイントを解説します。電子ピアノの選び方に迷っている方はぜひ参考にしてみてください。効果的な練習ができる電子ピアノを選ぶコツと、コストパフォーマンスの高いおすすめ製品をご紹介します。

この記事のポイント

ピアノ初心者が最初に購入する楽器は何を買うか

ピアノを初めて購入する際、グランドピアノやアップライトピアノ、電子ピアノや電子キーボードなど、選択肢は様々です。しかしながら、ピアノ初心者にとって最初の楽器選びで重要なのは、価格と練習しやすさの2点です。

多くの場合、電子ピアノがおすすめです。電子ピアノはアコースティックピアノに比べ大幅に安価で、5万円程度から購入可能です。また、ヘッドホンでの練習ができ、音量調節が簡単なため、練習しやすい環境を手軽に整えられます。さらに、電子ピアノにはメトロノームや教本の曲を内蔵した自動演奏機能を搭載した初心者向けモデルが豊富にあるのもメリットです。

一方で、電子ピアノには弾き味や響きの表現力がアコースティックピアノに劣るという短所もあります。しかし、初心者段階ではそこまでのこだわりは必要ないでしょう。むしろ手頃な価格と練習しやすさを優先すべきです。

大人からでもピアノを始めて上達できるか

大人からでも決して遅くないため、ピアノを始めることをためらう必要はありません。

ピアノの基本は指の独立性と楽譜の読み方ですが、この2つは年齢に関係なく習得できます。むしろ大人の方が得意とする論理的思考力を活かせるため、効率的に上達できる可能性が高いです。

ただし、子供のうちに習得した方が上達が早いのは事実です。幼少期は手指の可塑性が高く、ピアノ特有の指の動きを体に染み込ませやすいためです。しかし、ゆっくりでも継続すれば大人でも高度な技術は身につけられます。

年齢を気にせずピアノを楽しみ、できることに目標を定めて練習すれば、確実に上達への道筋は開けていきます。

ピアノを始めてうまくなるには何年くらいかかるか

ピアノを始めて本格的な曲が弾けるようになるには、個人差がありますがおおむね3-5年の練習が必要です。

初心者がまず身につけるのは、指の独立性、譜面の読み取り、音感覚の3点です。この基礎力を1-2年かけて鍛えた後、より複雑な曲にチャレンジしていきます。3-5年程度でアンサンブルや発表会で弾ける実力がつきます。

ただし、1日の練習時間や先生の指導方針によって期間は前後します。最短で1年程度でも弾けるようになる子供もいれば、10年越えても難しい曲は弾けない人もいます。楽しみながら無理のないペースで続けることが大切です。

電子キーボードと電子ピアノ、初心者におすすめはどちらか

電子楽器では、ピアノタッチの電子ピアノが初心者におすすめです。

電子キーボードは安価ですが、鍵盤が軽くピアノとは弾き味が異なります。一方、電子ピアノはアコースティックピアノに近い重さの鍵盤を実現しており、指の訓練に適しています。

また、電子ピアノは演奏表現力が高く、強弱の付け方による音の違いを練習できます。ピアノらしい音の綺麗な減衰も再現できるため、音楽性も養えるでしょう。

価格面では電子キーボードが有利ですが、本格的にピアノを学ぶなら電子ピアノを選ぶことをおすすめします。

ピアノを始めたら何歳くらいまで続けられるか

生涯楽器と言われるピアノは、始めたら何歳まで続けられるのでしょうか。

フィジカル面での制限は50代頃から出てきますが、それまでは年齢に関係なく続けられます。

高齢になると指の可動域が狭まったり、指の力が弱まることがネックになります。しかし、レパートリーを簡易な曲に変更し、練習時間を調整すれば、80代以上までピアノ生活を楽しむことが可能です。

晩年は演奏活動を諦め、趣味の一つとして気楽に弾くことを心がけるのが賢明でしょう。ピアノ仲間とのアンサンブルも楽しい過ごし方です。

ピアノの練習は何から始めるのが良いか

ピアノの練習では、まず指の独立性、次に譜面の読み取り能力を高めることが最も重要です。

指トレーニングには、1指ずつキーを押す練習から始め、徐々に指の動きを複雑にしていきます。また、譜面の読み取り能力は、音階トレーニングがおすすめです。記号に合わせて正しい音が出るようにすることで、読譜力が身に付いていきます。

この基礎力が備わったら、メロディのある簡単な曲から本格的な練習に移行。曲という文脈の中で、読譜力とテクニックを高めていけるはずです。

買うべきではない電子ピアノとは

無名ブランドの安価な製品
これらは品質が安定せず、故障やトラブルが発生しやすいでしょう。初心者にはメーカー保証のある製品を選ぶことをおすすめします。

鍵盤が軽すぎる製品
鍵盤が軽すぎると指の訓練にならず、本物のピアノを弾く際に弾き味が異なるため違和感が出ます。ある程度の重さが必要です。

古い機種
10年以上前の旧型機は、技術面で陳腐化しています。最新の教育機能も搭載されていないので、初心者には不向きです。

スピーカーが1個のモデル
ステレオ再生できない単体スピーカー機種は、音の表現力が乏しくなりがちです。2個以上のスピーカーが基本です。

機能が過剰な高級機
楽器本体の価格以上に高機能にお金が掛かっています。初心者にとっては不要な機能が多く、コスト面で非効率です。

初心者の大人におすすめの電子ピアノ

大人のピアノ初心者におすすめの電子ピアノは、次の点を備えた製品です。

木製の重量感がある鍵盤
88鍵盤以上のフルサイズ鍵盤
ヘッドホン端子が2つ以上
スピーカーが4個以上
音色やリズムが選択可能
収録された曲の自動演奏ができる
HDMI端子やUSB端子がある
録音/再生機能
価格が10万円程度
大人は子供よりも手が大きいので、フルサイズの鍵盤が扱いやすく練習しやすいでしょう。また、ヘッドホンで環境を選ばずに練習できることや、自動演奏で楽しみながら学べることもポイントです。

大人のピアノ初心者が学ぶべき基本的なこと

大人のピアノ初心者がまず身につけるべき基本的なことは以下の通りです。

指の独立性を鍛える
正しい姿勢と指の形を守る
音階と弾き方をマスターする
譜面の読み方を習得する
リズム感とテンポを整える
基本的な構成音を覚える
重音奏法を習得する
ペダルの使い方を学ぶ

大人は子供より論理的に習得できるため、初めから楽譜の読み方を学んでも問題ありません。また、姿勢や指の形にも意識的になれます。ピアノの基礎は確実に短期間で習得できるはずです。

ピアノ教師がおすすめする電子ピアノ

ピアノ教師がおすすめする電子ピアノに共通するのは、アコースティックピアノに近い鍵盤と音だといえます。

例えば、ヤマハのクラビノーバシリーズは、同社のコンサートグランドピアノの音色をサンプリングした音源を搭載しています。鍵盤も木製で、弾き心地が本物のピアノに匹敵します。

カシオのプリビアシリーズも、鍵盤の落とし心地や反発などの設定を詳細に調整可能なのが特徴です。グランドピアノの感触を再現できるのが強みです。

教師は、弾き心地が本物に近いことで指の訓練効果が高まる点を重視する傾向にあります。

電子ピアノを買って後悔した経験談

電子ピアノを買って後悔した経験談を挙げると、次のような例があります。

鍵盤の弾き心地がピアノとは程遠く、指の訓練にならなかった
ヘッドホンを外すと家中に響くほど音質が悪かった
ピアノ講師に「この機種ではレッスンを受けられない」と言われた
メーカーが倒産し、修理サポートが受けられなくなった
古い旧型機のため、USB端子がなくデータ管理できなかった
安さを優先しすぎると、こうした失敗を招きやすいです。初心者向け教育機能が充実していて、品質とサポートが保証されたモデルを選ぶことが大切です。

電子ピアノの選び方 – 初心者編

電子ピアノの選び方として、初心者は次のポイントを重視することをおすすめします。

鍵盤が半加重以上の重さがあること
88鍵盤以上のフルサイズキーボードであること
音源には大手メーカーの高品質サンプリングが用いられていること
スピーカーが4個以上で、ステレオ再生できること
楽曲の自動演奏機能が搭載されていること
HDMIやUSBなどの端子があること
教師が推奨するメーカーと機種であること
重視すべきは、まずレッスンに耐えうる品質であることです。その上で、初心者向けの演奏支援機能が充実しているかを確認するのが良いでしょう。

子供のピアノ初心者へおすすめの電子ピアノ

61鍵盤~73鍵盤のコンパクトサイズ
フルサイズの88鍵盤に比べて、61~73鍵盤程度のサイズが子供の手の大きさに適しています。鍵盤の奥行きも浅めが扱いやすいです。

内蔵曲数100曲以上、自動伴奏機能あり
子供向けの人気曲を100曲以上内蔵し、自動で演奏できる機能があると練習しやすいです。

サンプリングレート48kHz、ビットレート16bit
CD並みの自然な音質が得られ、子供の表現に適した音源スペックです。

キャラクターが描かれたカラフルなボディ
子供が楽しんで練習できるよう、ボディのデザインにも気を配りましょう。

以上が、子供のピアノ初心者に対する電子ピアノ選びのポイントとなります。

コストパフォーマンス最強の電子ピアノ

コストパフォーマンスが最も高い電子ピアノは、価格帯1万円台後半の製品です。

例えば、カシオのPX-S1000は実売価格1万5000円程度で購入可能ですが、フィンガードレストや充実した自動演奏機能を搭載した初心者向けモデルです。

また、ローランドのGO:PIANOも2万円前後で販売されていますが、初心者でも簡単に弾けるよう各種機能を搭載したエントリーモデルとなっています。

1万円台の製品は機能面で多少の制限はありますが、初心者の学習・練習用としては十分な性能を備えています。限られた予算で満足のいく電子ピアノを手に入れたい場合の第一候補になるでしょう。

ピアノ初心者の何を買うか選びのポイント

ピアノ教室の先生が絶対に言う「良いピアノ」の条件

ピアノ教室の先生が良いピアノだと言う条件は、主に以下の3つです。

鍵盤が木製でアコースティックピアノの感触に近いこと
ダイナミックレンジが広く弾き方による音の違いが出ること
音色が明るく縦横無尽に変化する表現力があること
木製の鍵盤は指の訓練に適しており、さらに音色の変化が豊かで表現力が高ければ、練習の質も高まります。この3点をクリアしたピアノを選ぶのが良いでしょう。

ただし、予算に余裕がない場合はある程度の妥協も必要です。教師と相談しながら、自分の使い方と予算に合ったピアノを選ぶことが大切です。

電子ピアノの選び方 – 効果的な練習ができる機能をチェック

電子ピアノ選びで効果的な練習ができるかどうかを判断するには、次の機能をチェックすると良いでしょう。

音源のテイク数と音色の種類
自動伴奏・演奏機能の有無
録音/再生機能の有無
リズム機能やメトロノーム機能
楽譜表示機能
音楽専用アプリとの連携

テイク数が多い程、本物の奏でる音に近づきます。自動演奏で理想の音を聞き取ることもできます。これらの機能を活用して、効率的に実力を高めましょう。

ピアノ初心者が最初に買うべき価格帯と理由

ピアノ初心者が最初に購入するのに適切な価格帯は、おおよそ5万円から15万円程度です。

それ以下の低価格帯では、質の問題で早期の買い替えを迫られることがあります。一方、高価過ぎると初心者には不要な高機能を搭載したケースが多く、コストパフォーマンスの面で非効率です。

5万円から15万円の間には、教育機能が充実した信頼のおけるメーカー各社の人気モデルが揃っています。価格帯をこの範囲で選ぶのが賢明といえます。

電子ピアノ選びで迷わないための店頭試奏のポイント

電子ピアノの店頭試奏で大切なポイントは、次の2点です。

同じ曲を各機種で弾いて音の違いを確認する
自分のレパートリーの曲を弾いて、弾きやすさや表現力を確かめる
同じ曲を比較することで、音質の違いが明確になります。また、普段弾いている曲を試奏することで、その機種の弾き心地が自分に合っているか判断できます。

試奏時間が短い場合は、上記2点に絞って試奏。自分の演奏目的に合致したピアノかどうかを確認しましょう。

レッスンを楽しく続けるにはどのような電子ピアノが良いか

レッスンを楽しく続けるための電子ピアノ選びでは、次の点が重要です。

音色が変えられることで飽きずに弾ける
自動演奏で理想の音を聴き、弾きたくなる
リズムやメトロノームを活用して効率的に練習
録音/再生で確実に上達を実感できる

こうした遊び要素もある機能がある電子ピアノを選べば、長く楽しくレッスンに取り組めるはずです。子供だけでなく大人にもおすすめのポイントといえるでしょう。

まとめ：ピアノ初心者何を買う？ピアノ選び

ピアノ初心者が最初に購入する楽器の選び方